岩岳アイゼンガード

岩岳アイゼンガードのフリークライミング情報

English Version
日本語版©小林敏之

場所

安倍奥の盟主「山伏」から東側を東山稜、西側を西山稜と言い、「岩岳アイゼンガード」は東山稜にある下十枚山と青笹山の中間にあるピーク「岩岳」の山頂直下にある岩場である。
真先峠駐車場から樹林の間からも眺めることが出来、地元の間では「キノコ岩」と呼ばれているそうである。
この岩場は標高1600m山頂直下西面にあるため、西風をもろに受けるので気温が低い日にはより低く感じるほどである。フリーのゲレンデではあるが山の中の岩場と認識して頂きたい。
またフリーのゲレンデとしてはアプローチが約1時間半と長いが、登山道は明瞭であり、何より周囲の山々を眺めながらの稜線歩きは時間を忘れてしまうほどである。
1600mの山頂直下で遮るものが何もない明るく解放された壁を登るのは何とも気持ちが良いものである。
登る事だけを目的に訪れるのも良いが、この素晴らしいロケーションの中で、周囲の山々を眺めながらクライミングを楽しんで頂きたい。

アクセス

  1. 県道29号線(通称安倍街道)を梅ヶ島方面へ進み、分岐を山葵発祥の地「有東木」方面へ右に入る。
  2. 有東木集落を通り過ぎ、青笹山登山口となる葵高原駐車場を経て、真先峠駐車場まで(新東名の新静岡ICから、約30分)。ここです!
  3. 真先峠駐車場からは登山道となり、踏み跡は明瞭。植林帯を抜けると左側に岩岳の稜線と岩場が遠望できる。
  4. 30分程度歩くと、地蔵峠に到着。北上する登山道を進む。
  5. 急登を登ると笹原になり展望が開け、南アルプス深南部、聖岳や赤石岳も展望できる。
  6. 稜線が平坦になり、もう少しで岩岳山頂というところで左の笹原に踏み跡があり、笹原を掻き分けると、突然目の前が開け岩頭に飛び出る。(通り過ぎたら、「岩岳」の看板に到着する。)
  7. 岩頭から右に回り込んで降りると岩場の基部に出る。地蔵峠から岩場の分岐まで約1時間、登山道から岩場までは約5分。

トポ

岩岳アイゼンガードのトポ

ルートの説明

左からの順で説明します。

ウルクハイ・ワルツ 20m 5.10b
左フェースの斜めのクラックを途中から辿るダイレクトなフィニッシュへ、B3本、NP(フレンズ#0~3)。
左のボルトラインを登る、クラックへ。クラックを右へ辿って(約7m)、一段上の水平クラックへ上がって、一歩左へ戻ってから直上する終了点へ。

ピーチ 13m 5.11b/c
ウルクハイワルツのほぼダイレクトフィニッシュ、B5本、NP(小さいキャム)。
ウルクハイワルツと出だしは同じ。ウルクハイワルツのボルト3本を使い、そのまま直上。小ハングの乗越がホールドが細かく、スタンスもないため難しい。

ウルクハイ・ダイレクト 16m 5.10c
ウルクハイワルツのダイレクトスタート、B7本。
この岩場の中央を登るライン。ウルクハイワルツと上部で合流する。合流する所のカエデは切らないで頂きたい。フェースだが、中間部でムーブがあり楽しめるルート。

バンブー・ダンス 20m 5.10d
Tウルクハイダイレクトの右隣のルート、B9本。
小ハングの乗越、細かいホールドスタンスを探しながら登るストレニュアスなルート。最後のハングは大胆に乗り越す。

ノーベンバー・ウインド 20m 5.11b
狭いところに入った1本、B8本。
ハングの左側にあるカンテを使いながら登り、最後はカンテから離れてカチを取りに行く所が核心。

ファルコンファング 20m 5.11a
このエリアの三ツ星ルート、B5本、NP(小さいキャム)。
3段ハングを豪快に乗り越す気持ち良いルート。限定はしていないので、どのホールドを使ってもOK。

レユニオン 20m 5.10a
ファルコンファングの派生ルート、B5本、NP(小さいキャム)。
2段目のハングから右のカンテを登るルート。

サルマン・サンバ 20m 5.9
右からアプローチして、中央のカンテを登ります。出だしのコーナーに、フレンズ#2~4がよくききます。Bx4本。
斜めのコーナーを右から入って、終了するまで辿ります。スラブに出て、カンテのすぐ右にあるボルトラインを辿る、左にあるテラスへ。最後はハイステップで短いスラブを登る終了点へ。

シェイク・ヤブーティ 22m 5.10d
サルマン・サンバから出て、その右のスラブを登ってハングを超えるライン、B5本、NP(キャム1セット)。
出だしはサルマンサンバと同じ。クラックが終わったあとのボルトにクリップしてから、右のフェースへ。小ハングのクラックにカムをセットしてから豪快にハングを乗り越す。

下記2本のルートは、取り付がイマイチだが、懸垂下降でもアプローチできる。

ゴラム・アゴゴ 14m 5.8
遠くから見える弱点のラインを辿る、サルマン・サンバの最後のボルトで合流する、B1本、NP(キャム1セット)。

弱点をカンテ(サルマン・サンバ)まで辿る。最後はサルマン・サンバ と一緒。

ギムリ・マッシュポテト 12m 5.7
岩場の最も右にあるスラブを登る、B3本。
出だしはゴラム・アゴゴと一緒だが、すぐに右のスラブに乗って、直上する。快適。

初登の詳細

The rock's potential as a climbing venue was first identified by local hobbit Gen Satou, who managed to rope in his brother and members of Shizuoka Kinrousha Sangakkai for development.

日付 ルート 初登者
2013・3・17 サルマン・サンバ ニール・ハリソン
2013・3・17 ウルクハイ・ワルツ 佐藤言
2013・4・14 ギムリ・マッシュポテト 佐藤修、ニール・ハリソン
2013・4・14 ゴラム・アゴゴ ニール・ハリソン、佐藤修
2013・4・14 シェイク・ヤブーティ ニール・ハリソン、佐藤修
2013~2015 その他、すべてのルート 小林敏之